オンライン小説~銀の騎士~剣と魔法のファンタジー物語

銀の騎士本編

第4章~謎~

オンライン小説~銀の騎士~剣と魔法のファンタジー物語

ツール村(3)

風の音が追いかけて来る。
 ムダダ!
 むだだ!
 無駄だ!

うるさい!黙れ!

頭の中で自分でない者が答える。自分の声で。

ふふふ
そんな事をしてもお前の罪は消えない

僕の罪?

お前の罪だ!
おまえの つ・み・だ!
オ・マ・エ・ノ・ツ・ミ・ダ!

何の罪なの?

とぼけるな!
知っているくせに
知らない・・・
知っているだろう
とぼけるな!
子供を探して何になる
それで許されたつもりか
違う!
こんな所に子供がいる筈がないだろう
知っているくせに

だって声が聞こえたんだ

それはお前の声
泣叫ぶお前の
さあ、こっちへ来い

いやだ!

考える事はつらいだろう
こっちへくれば何もない

いやだ!
苦しみも悲しみも罪も
罪も?

そう、罪も
こっちへくれば許される
許される?

お前は救われたい筈だ!
お前は許されたい筈だ!
さあ・・・・
さあ・・・・・
さあ・・・・・・・

やめて!頭が割れそうだ!
・・・みんな壊れてしまえ!・・・

違う!これは僕の声じゃない!

・・・みんな死んでしまえ!・・・

やめて!そんな事思ってない!
いやだ!
いやだ!!

いやだぁ~~~~~!!

「アビ!おい!アビ!!」
シュールが後ろから羽交い締めにして押さえ付け、暴れるアビの頬を打つ。
「しっかりしろ!」
持っていた剣がカランと音を立て滑り落ちると、ようやくアビは正気を取り戻した。

「あれ?シュール、どうしたの?ここどこ?」
「だ~。どうしたってんだよ!トッポが見つかったってのに、剣なんか振り回して!」
「え?トッポ?」

見ると目の前に怯えたように縮こまる子供がいた。

「お前の叫び声が聞こえたんで急いで来てみりゃ、一人で剣振り回してさ。
でかい魔物でも出たのかと思ったぜ。」

「覚えてない。」

本当に何も覚えていなかった。トッポを探しにここに来た所までは思い出せる。
手分けして探そうとシュールと別れた。その後の事がどうしても思い出せない。

「とにかく、みんな心配してる。トッポを連れて帰ろう。」
「あ、うん、そうだね。」
そう言ってトッポに手を差し伸べた時である。

トッポの身体がビクッと緊張してがたがた震え出した。
「どうしたの?もう大丈夫だよ。」

アビが近付けば近付く程、トッポは怯えるばかりだ。
「しょうがないな。お前が剣を振り回したりするから、すっかり怯えちまった。」

シュールが手を差し伸べると、トッポはアビを警戒しながら、さっとシュールの背に隠れた。
「嫌われたもんだな。」
シュールが笑った。 アビは少し傷付いて、しょんぼりと肩を落とす。

「そんなにこわかったのかな?覚えてないんだけどな。」
「光る石も落ちてなかったから、俺が来た時は魔物をやっつけた後、って事もなさそうだぜ。ホントに一人で何やってたんだ?幻覚でも見たか?」
シュールはトッポをおぶって、アビに笑いかけた。
シュールの背で、トッポは一人、身を堅くしてアビの様子を伺っていた。

・・・こいつは魔物だ。人間のふりしてるんだ。騙されるもんか!・・・

トッポは後ろからアビに襲われないか心配で、何度も何度も振り返ってシュールに叱られた。

「動くなって。落ちるぞ。」
それでもアビが気になって仕方ないらしく、トッポは言う事を聞かない。
「ふ~、よっぽど怖かったんだな。」

シュールは苦笑して、アビに自分の前に来るよう促した。

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